はじめに

自分のこれまでの経歴をまとめていましたが思いのほか長文になってしまいました。

これまでに働き経験したこと、その当時思っていたことなどをそのままに紹介したいと思います。

掛川会計事務所にて勤務

最初に勤務した掛川会計事務所は、歴史のある事務所で従業員15名ほどの業界内では大きい事務所でした。私のような実務未経験者を受け入れてもらったことを大変ありがたく思っています。

税理士としての基礎知識や使命は、ここで勤務した上司と所長の先生から譲り受けました。若輩者の私を育ててもらったことを本当に感謝しています。

未経験ながら売上数億円規模の法人を担当させていただき、お客様から逆に教えてもらうことが多くご迷惑をおかけしていたと思います…。

この事務所では同僚としてベテランの実務経験者である先輩方しかおらず、能力で劣っているため、持ち前の負けず嫌い根性で家でも勉強したりと、とにかく頑張っていました。

困ったこと、判断に悩むことがあれば、周りの誰に聞いても明確な答えが返ってくる状況でしたので、自分が成長するための環境として本当に恵まれていたと思います。

掛川会計事務所では2年勤務をしました。

間宮会計事務所にて勤務

次の間宮会計事務所は個人の資産家をメイン顧客とした事務所で、不動産所得の申告と相続対策をメイン業務としていました。

掛川会計事務所の頃は先方の経理担当者へに応対が大半でしたので、ビジネスライクな会話がほとんどだったのですが、この事務所で経営者や個人事業主様と直接話をするようになりました。

経営者や個人事業主のお客様と話す内容は、一個人の人間として、仕事以外の話も多く、ご家族の話であったり世間話だったりで今まで聞けなかったような話を聞かせていただき、とても勉強になったことをよく覚えています。

この事務所では相続税の申告に関わることが多く、それまでに経験ができなかった実務を経験することができました。

税理士試験で相続税を勉強していましたが、実務では財産評価だけではなく、相続人間での話し合いなどのコミュニケーション能力が必要だったりと勉強通りでは一筋縄にいかなかったりいろいろ考えさせられましたね。

間宮会計事務所では3年間勤務しました。

不動産管理会社に転職

この頃に、プライベートで子供が産まれ勉強ができる環境ではなくなったこともあり、苦渋の決断でしたが、一度は税理士開業への道を諦めて、誰もが知っているであろう企業の子会社である不動産管理会社にご縁があって転職しました。

この管理会社は、管理会社側の人間の横領による不祥事事件があり、会社を立て直すために専門知識のある人間を受け入れるという趣旨で私は入社させていただきました。

ですので、入社時から現状のルールを壊して再構築するという、面白いですがなかなかにしんどい業務を続けてきました。

ルールの再構築に対しては、前からいる従業員の負担にならないように配慮するのが一番難しかったですね。

同期入社社員と前からいる従業員がいい人ばかりで、業務フローの変更という大変な作業にも関わらず、色々と協力をしていただき本当に助かりました。

ところが、入社して2年後に某商社の子会社である管理会社に買収されることになり、吸収合併に向けて再度のルール構築をすることになりました。

買収から吸収合併へ

この時は、経営層が変わることで社内の空気感が一気に変わることになりました。

今までと異なってリスク回避重視から利益重視の考え方になり、コスト削減のためにイレギュラーな業務の大半はカットするようにフローを変更することになりました。

吸収合併をすることになる管理会社の方が管理戸数上位の会社で実務知識等が豊富でしたので、それまで知らなかった実務など色々と勉強させてもらいました。

管理会社での7年間では振り返れば、会計ソフトの入替え、カスタマイズ発注、業務フローの作成・改善、マニュアル作成、トラブル時の会計説明文の作成など実務責任者として実に様々な経験をしてきました。

その中で意外と多かった業務が、フロントマンとお客様である理事長・監事様の間に入ってご納得のいくように会計の説明をすることでした。

フロントマンとお客様はお互いに会計の専門家ではないので、話をしていても平行線をたどることが多かったのですが、専門知識のある人間が間に入ることでうまく解決できていたと思います。

金銭が絡むことになりますので、これがなければ不信感を与えてしまい、管理業務の解約まで繋がっていた案件も多数あったと思います。

管理組合の役員は、報酬が出るわけでもないことから自主的にやりたいという人は少なく、一般的には輪番制で回ってきますので、一般企業の社長や経理担当者とは違い1~2年で変更になります。

役員の変更により、新しい役員に改めて一から会計の説明をしなければいけない、という悪循環が生じている業界であると私は思いました。

税理士資格の取得

2018年には管理会社に勤務しながら大阪経済大学大学院の入試試験に合格し、社会人の学科として入学しました。

大学院の個人研究では、マンション管理組合の税務を中心に2年間研究し、修士論文で執筆した論文は権威のある租税資料館賞を受賞することになりました。この論文は国立国会図書館などの図書館に寄稿されています。

租税資料館賞では、「(マンションの)共用部からの収入に関する税務上の取扱いをめぐっての理論的研究は、それほど進んでいないと思われる。そのような状況の下で、著者は、先行研究の調査や理解に十分な時間を費やして、この問題に取り組んだ様子が窺われる。」と評価をいただいています。

2020年には、修士論文の提出により一度は諦めかけた念願の税理士資格を取得し、開業登録をすることができました。

税理士開業と今後に対する思い

これらの経験をもとに、他の税理士にはない管理組合に特化した税理士として、記帳代行や税務申告はもちろんのこと、管理組合様の監査や外部役員サービスなど他にはないサービスを提供することができます!

マンション管理組合はバブル期に建設された築50年ほどのマンションが増えてきており、住民の高齢化による管理不全の恐れがあるなど様々な問題があります。

これに対応すべく、国交省は2016年に外部の専門家が管理組合に役員になれるようにマンション管理適正化法、標準管理規約を改正しています。

https://www.mlit.go.jp/common/001189183.pdf 【参考】ガイドライン

今後は住民だけで組合を運営するのではなく、専門家を交えて組合を運営するのが一般的になってくるかもしれません。

私はこれらのニーズにあわせてサービスを提供し、経営者として新たな人生をお客様とともに進んでいければと考えております。

最後まで読んでいただき誠にありがとうございました。